こんな悩みにお答えします。
- 大学中退フリーターの将来はぶっちゃけ大丈夫なの?
- フリーターから正社員で採用してくれる企業はブラックなんじゃ?
- 大学を中退して学歴も職歴もなにもない状態から逆転できる方法は?
大学を中退してからずっとフリーターでいると将来が不安になってきませんか。私も同じ経験があるので良くわかります。
大学中退してすぐや20代のうちは周りとの差もそれほどなく、フリーターでも生活できていることから「このままでもいいかな」とずるずる時を過ごしてしまいがち。
断言しますが、20代後半・30代・40代となるにつれ必ず後悔する日がやってきます。
将来を深く考えずにフリーターのままでいると、時の経過とともに少しずつ人生が詰んでいっていることを実感してくるからです。
この記事を書いた人
人生が詰まないようにするために、まずは現実を把握しましょう。
この記事では根拠のあるデータをもとに、フリーターの現状と未来を解説しています。現実をしっかりと見つめたうえで、計画的に行動を開始することが大事です。
大学中退者やフリーターがブラック企業を回避しながら正社員で就職することは十分に可能です。そのためにはひとりで悩まずプロにサポートしてもらう方法がいちばん確実です。
将来の不安を解消してあなたの思い描く理想の未来を手に入れましょう。
大学中退フリーターの「現実」を把握しよう
フリーターのままで生涯を過ごした場合どういった結果が待っているのか。フリーターから正社員に就職することは可能なのか。
ここでは厚生労働省の調査結果をもとに、現実を客観的にみていきましょう。まずは自分の置かれた状況を把握しておくことが大事です。
ヤバすぎる「現状」をデータで把握
厳しいことを言いますが、大学中退後にフリーターのままでいることは転落への切符を必死で握りしめているようなものです。
どうにかなるだろうと安易な気持ちでいると、あっという間に身動きが取れなくなり人生が詰んでしまいます。
25歳~29歳までの客観的なデータをもとに、正社員で就職するまでにかかった期間やキャリアを、学歴別・男女別で詳しく紹介していきます。
正社員になるまでの期間を比較


(出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究」)
正社員就業までの期間(25歳~29歳)
離学前
男性 | 女性 | 男女計 | |
大学・大学院卒 | 1.1% | 1.1% | 1.1% |
大学・大学院中退 | 1.9% | 0.0% | 1.5% |
3か月以内
男性 | 女性 | 男女計 | |
大学・大学院卒 | 54.2% | 58.1% | 56.0% |
大学・大学院中退 | 12.9% | 8.9% | 11.9% |
3か月以内に正社員で就職した割合は、中退者に比べて新卒の方が圧倒的に多いことがわかります。在学中から就業していた人をあわせて、「新卒57.1%」「中退者13.4%」(赤マーカー計)と実に43.7%ものヤバすぎる差があります。
この差は大学中退者が就活に苦戦していることもありますが、就活そのものを積極的に行っていない人が一定数存在することも関係していると考えられます。
新卒は、卒業後すぐに就職するという流れが世の中にできあがっており、企業側の受け入れ態勢もできています。
それに比べ中退者は時期や年齢がバラバラであり、個人個人で状況も異なるため「こうすればよい」という情報が少なくなっています。
そのため中退者はどう行動すればいいのか分からず、なかなか動き出せずに時間だけが経過してしまうのです。
とりあえずアルバイトの罠
「とりあえず働きながら考えよう」とアルバイトを始めるのですが、これが罠でそのままフリーターになってしまうケースが非常に多いのです。

私も深く考えることなく5年間をフリーターとして過ごしてしまいました。気づいた時には周囲との差は歴然。後悔しかありません。できることなら5年前に戻ってやり直したい気持ちでした。
新卒者の給料と比較して、アルバイトであってもはじめの内はそれほど差がありません。深く考えずにいると知らない間に差が開いていき、気が付いた時には挽回不可能な状況に陥ってしまうのです。
中退者は出遅れることが多い
図表1-7「3年以内」の列をみると、中退者の男女計で15.3%の人が正社員で就職しています。これは「3か月以内」の割合(11.9%)よりも多くなっています。
大学・大学院中退者の正社員就業までの期間
- 3か月以内
-
11.9% 新卒者の割合(56.0%)に比べると圧倒的に少ない
- 3年以内
-
15.3% 3か月以内の割合よりも多くなっている
データから推測されること
企業の立場から考えると中退時点から3年経った人と、3か月以内の人ではどちらを採用したいと思いますか。当然3か月以内の人の方が若いぶん需要があります。にもかかわらず3年以内の人の割合が多い。
このことから推測されることがあります。
中退者向けの情報が極めて少ないためにスタートで出遅れてしまった人がたくさんいる。
3年以内での就職者の中には、中退後に適切な方法で就活をしていれば3か月以内で正社員になれていた人が相当数いると考えられます。中退者は情報が少なくそれが正しいのかどうかも判断できないために、遠回りな方法で就活をしてしまっているのです。
エアコンはつけっぱなしの方が電気代が安いとか、実はそうでもないとか。世の中にはいろんな情報があふれています。正しい情報を知ってるか知らないかだけで差が出てしまうことが多々あるのです。
非正規・無職のままの割合を比較

(出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究」)
学歴別の非正規・無業の割合(25歳~29歳)
非正規のみ
男性 | 女性 | 男女計 | |
大学・大学院卒 | 9.9% | 12.6% | 11.2% |
大学・大学院中退 | 22.5% | 31.7% | 24.8% |
現在無業
男性 | 女性 | 男女計 | |
大学・大学院卒 | 7.9% | 10.9% | 9.3% |
大学・大学院中退 | 17.0% | 19.8% | 17.7% |
図表1-11は、25歳~29歳の学歴別キャリアを調査したものです。
20代後半の非正規・無職の割合を比較すると、新卒と中退者では倍ほどの差があることがわかります。特に女性の非正規でいる人の割合は、より顕著に差があらわれています。
このデータからは中退者が正社員で就職するためには、高いハードルが存在しているようにみえます。
でもちょっと待ってください。
もう少しデータを詳しく見ていくと真実が見えてきますので、希望を捨てないでください。
正社員で働いている人の割合を比較
学歴別の正社員の割合(25歳~29歳)
正社員定着
男性 | 女性 | 男女計 | |
大学・大学院卒 | 49.5% | 42.9% | 46.4% |
大学・大学院中退 | 20.3% | 17.8% | 19.7% |
正社員間転職
男性 | 女性 | 男女計 | |
大学・大学院卒 | 7.8% | 6.6% | 7.2% |
大学・大学院中退 | 5.5% | 2.0% | 4.6% |
他から正社員
男性 | 女性 | 男女計 | |
大学・大学院卒 | 3.4% | 4.2% | 3.8% |
大学・大学院中退 | 10.9% | 6.9% | 10.0% |
20代後半で正社員として就業している人の割合は、「新卒57.4%」「中退者34.3%」(赤マーカー計)と大きな差があります。ヤバいですね。
やはり新卒と中退者とでは歴然とした差があるといわざるを得ません。
しかしよく見てください。「他(フリーターなど)から正社員」では10.0%もの人が正社員への就職に成功しているのです。
これは私の実体験から言えることですが、スタートで出遅れてずるずるとフリーターで過ごしてしまった人は、「どうせ自分が正社員になることは不可能だ」と就活すらしないままでいる人が多いと考えられます。
すなわち正社員への就職にチャレンジすらしなかった人がいることを考えると、実際はもっと正社員になれる人は多いのです。正しい方法で正社員への就活にチャレンジさえすれば意外と道は開けていることに気づくはずです。
中退者は就活の成功率が低いと思われがちですが、実際の就職成功率は思っているより高いのです。
ヤバすぎる「未来」をデータで把握
現状を把握したところで、次は将来についてみていきましょう。
フリーターのままでいた場合と正社員になった場合とでは、生涯賃金にどれほどの差がでると思いますか。客観的なデータをみて、フリーターのままでいることが得策と言えるのかどうか考えてみてください。
それでは詳しく紹介します。
生涯賃金を比較


(出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構 「ユースフル労働統計2019 ―労働統計加工指標集―」)
正社員・非正規社員 生涯賃金(60歳まで、退職金を含めない)
高校卒
男性 | 女性 | |
正社員 | 2億1,140万円 | 1億5,020万円 |
非正規社員 | 1億3,020万円 | 1億410万円 |
生涯賃金の差 | 8,120万円 | 4,610万円 |
大学・大学院卒
男性 | 女性 | |
正社員 | 2億6,920万円 | 2億1,670万円 |
非正規社員 | 1億5,630万円 | 1億2,330万円 |
生涯賃金の差 | 1億1,290万円 | 9,340万円 |
将来を考えたときに結局のところ一番気になるのは生涯賃金ではないでしょうか。大学中退者は最終学歴が高卒となるため、高卒の生涯賃金を比較してみましょう。
生涯賃金の差は「男性で8,120万円」「女性で4,610万円」です。ヤバすぎませんか?
もちろん正社員と非正規社員とでは、仕事内容や責任の重さが違います。それを考えても上記の差は驚くほかありませんよね。
退職金で差は広がる
話はここで終わりではありません。次のグラフを見てください。

(出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構 「ユースフル労働統計2019 ―労働統計加工指標集―」)
企業によって異なるものの、正社員は通常退職金が支給されます。一方で非正規社員は通常は支給されません。
すなわち生涯賃金の差はさらに広がります。
高校卒
男性 | 女性 | |
生涯賃金の差 | 8,120万円 | 4,610万円 |
退職金 | 1,400万円 | 1.400万円 |
退職金を含む差 | 9,520万円 | 6,010万円 |
大学・大学院卒
男性 | 女性 | |
生涯賃金の差 | 1億1,290万円 | 9,340万円 |
退職金 | 1,890万円 | 1,890万円 |
退職金を含む差 | 1億3,180万円 | 1億1,230万円 |
退職金は高校卒で1,400万円。
男女別のデータがありませんので、ここではいったん同一のものとして考えています。
さらに・・・ですが、正社員の場合は退職後も嘱託社員などで会社に残れる場合が多く、退職後もさらに差は広がっていくと考えた方がよいでしょう。
中退直後に正しい情報を得られなかっただけで、生涯でこれほどの差がついてしまいます。実に残酷な現実です。
フリーター期間が及ぼす「影響」を把握しよう
フリーターで過ごす期間が長引いた場合どういった結果が待っているのか。正社員での就職にどのような影響を及ぼすのか。
引き続き厚生労働省の調査結果をもとに、フリーター期間が及ぼす影響を客観的にみていきましょう。将来を予測しておくことが大事です。
ヤバすぎる「期間」をデータで把握
フリーター期間が長引けば長引くほど、就職することは難しくなってきます。企業からすれば「20代フリーター」と「30代フリーター」であれば当然20代の人材を欲しがります。
ではフリーターから脱出して正社員で就職するにはどうすれば良いでしょうか。
答えはなるべく早く行動することです。
20代であればまだ「フレッシュな人材」という言葉が通用します。30代になってくると「いままで何してたの?」というイメージがどうしても先行してくるからです。
それでは客観的なデータをみていきましょう。
求職者の割合を比較
20代後半の求職者と全体の求職者を比較してみると、わかってくることがあります。
残念ながらこのデータだけではフリーターの状況を正確に断言することはできないものの、大まかな傾向を見るのには十分です。
25歳~29歳では差がない

(出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究」)
無業・求職者の割合(25歳~29歳)
男性 | 女性 | 男女計 | |
大学・大学院卒 | 5.8% | 4.2% | 5.1% |
大学・大学院中退 | 7.7% | 5.0% | 7.0% |
25歳~29歳のうち「無業・求職者」を比較しました。
すなわち「積極的に就職活動を行っているが就職できずにいる人」の比較です。
20代であれば新卒と中退者で就職率にほとんど差がないことに気付いたでしょうか。
こちらで述べた通り、ちゃんと就職活動(求職)をしていれば大学中退フリーターであっても実は就職することは難しくないのです。
全体でみると差が広がっている

(出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究」)
無業・求職者の割合(全体)
男性 | 女性 | 男女計 | |
大学・大学院卒 | 6.7% | 4.1% | 5.4% |
大学・大学院中退 | 10.6% | 6.6% | 9.5% |
同じく調査対象者全体で「無業・求職者」を比較しました。
すなわち「積極的に就職活動を行っているが就職できずにいる人」の比較です。
さきほどの「25歳~29歳では1.9%」だった差が、「全体では4.1%」に広がっていることが分かります。
このことから次のことが言えます。
<就職活動(求職)をしている人を比較>
・20代のうちは新卒と中退者に差はない
・20代を過ぎるとその差は広がっていく
フリーターに限定したデータではないものの、フリーター期間が長引けば就職はどんどん困難になっていくことが分かると思います。